同位体効果とは何か?―なぜ「重いだけ」で反応が変わるのか
yusuke
ケム。
赤外分光法(FT-IR)は、
分子が持つ特定の赤外線吸収パターン(分子の振動)を測定する装置・手法です。
などに対応する赤外吸収ピークを得ることで、化学構造などを調べます。
水素を重水素(D)に置き換えると、O–H 結合は O–D 結合になります。
振動数は原子の質量に依存するため、
に由来する吸収ピークは、O-HとO-Dで、波数が大きく異なります。
振動数 ν はν∝μk
で表されます。
同位体で はほぼ同じなので、
違いは質量 だけです。
換算質量の比を簡単に考えると、O–D は O–H の 質量がほぼ2倍 になります。
その結果、振動数はνOD/νOH≈21≈0.707
となります。
つまり O–D の伸縮振動は O–H の約 1/√2 の波数に現れる、というわけです。
ただし、これは理論上の計算によるもので、
実測値は水素結合などの影響によって変化します。