予備滴定が終わらない・ドリフト値が下がらない原因と対策【カールフィッシャー法】
yusuke
ケム。
信頼性の高い水分測定を行うためには、装置の正しいメンテナンスが欠かせません。
「なぜかドリフトが下がらない」「測定値が安定しない」といったトラブルの多くは、日頃のメンテナンス不足や消耗品の劣化にある場合が多いです。
本記事では、カールフィッシャー水分計(容量滴定式・電量滴定式)のメンテナンス方法を詳しく解説します。
メンテナンスのポイントを理解するために、まずは2つの測定方式の違いをおさらいしておきましょう。
| 容量滴定式 | 電量滴定式 | |
| 測定方法 | ヨウ素を含む滴定液を直接滴下する | 電気分解によってヨウ素を発生させる |
| 測定範囲(目安) | 0.1 ~ 500 mg H2O | 数 μg ~ 300 mg H2O |
| 得意な試料 | 高水分(1%以上) | 微量水分(ppmオーダー) |
| 特徴 | 脱水溶剤の種類が豊富で汎用性が高い | 標準物質による力価標定が不要(絶対法) |
方式を問わず、カールフィッシャー水分計において特に注意すべき部品の管理方法です。
電圧を測定し終点を検出する重要な電極です。
共栓のすり合わせ部分には、外気混入と固着を防ぐために専用グリースを薄く均一に塗布します。
注意: シリコーン系グリースは使用せず、必ずメーカー指定の専用品を使用してください。
【もし固着してしまったら?】
無理に回すと破損して怪我をする恐れがあります。以下の方法を試してください。
ノズル先端の吐出部に試薬成分が析出し、詰まることがあります。これを予防するため、長期間使用しないときは、滴定液を排出し、メタノールで洗浄して保管します。短期間の保管の際は、ノズル先端を脱水溶剤やメタノールに浸漬した状態とします。
【もし詰まってしまったら?】
カールフィッシャー水分計は外界の影響を受けやすいデリケートな装置です。しかし、要所を押さえたメンテナンスを行えば、安定した測定を行うことができます。