基礎からわかる化学

水って酸?それとも塩基?実は状況によって両方なんです

yusuke

水は酸ですか? それとも塩基ですか?

どちらでもないと思ったあなた、ちょっと待ってください。

実は、水は酸にも塩基にもなるんです。

どういうことか、例を見てみましょう。

水中での塩酸の解離

塩酸は水に溶けると、水素イオンを水に与えます。

HCl + H2O → H3O+ + Cl

ブレンステッド・ローリーの定義によれば、

  • H+を与える塩酸→酸
  • H+を受け取る水→塩基

💡 つまり、この状況では水は塩基として働きます。

水中でのアンモニアの解離

アンモニアは水に溶けると、水から水素イオンを受け取ります。

NH3 + H2O ⇄ NH4+ + OH

  • H+を受け取るアンモニア→塩基
  • H+を与える水→酸

💡 このように、水は酸としても働くことがあります。

酢酸も両刀使い?

酢酸は酸だと思いがちですが、状況によっては塩基として働きます。

例えば、酢酸に過塩素酸(HClO4)が溶けている場合、

酢酸は水素イオンを受け取って、塩基として振る舞います。

HClO4 + CH3COOH → CH3COOH2+ + ClO4

CH3COOH2+はプロトン化された酢酸イオンで、水溶液の場合におけるH3O+に当たります。

酸として働くか塩基として働くかは何で決まる?

酸や塩基として振る舞うかは、酸や塩基の強さによって決まります。

化学では酸の強さを表す指標としてpKa(酸解離定数)が使われます。

  • pKaが小さいほど強い酸→水素イオンを与える傾向が強い
  • pKaが大きいほど弱い酸→水素イオンを与える傾向が弱い
物質pKa(25℃)
酢酸(CH3COOH)約4.7
過塩素酸(HClO4)約-10

pKaを比べると、酢酸よりも過塩素酸の方が小さいです。

ということは、過塩素酸の方が水素イオンを与える力が強いということです。

そのため、過塩素酸が酢酸に水素イオンを与えることになります。

どの物質がH⁺を与え、どの物質が受け取るかは、相対的な酸・塩基の強さで決まるのです。

酸解離定数は、下の記事でも解説しています。

まとめ

  • 水は状況によって酸にも塩基にもなる
  • 酢酸も塩基として振る舞う場合がある
  • 酸・塩基として働くかは、酸や塩基の強さ関係によって決まる
  • 酸の強さの指標として、酸解離定数(pKa)がある
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